出会い
ある日、私のインスタグラムを見て頂いたことをきっかけにお電話を頂きました。日常の暮らしの発信や家づくりのことなどの投稿をご覧くださり応えて頂いたことは今振り返ってもとてもありがたく思います。お電話の後、陽だまりのコートハウス(施工事例)をご覧頂くお約束をし、初めて施主様となるお二人にお会いしました。
日々の暮らしの中で感じていることや、大切にしたい価値観など、設計させて頂いた建物をご覧いただき、空間の質感や空気を体感・共有できたことで、説明はほとんど必要なかったように思います。施主様の感性と通じ合える部分があるという確かな実感。それは家づくりを進めて行く中で大切なことを確認し合える日でもありました。
家づくりのきっかけ
当時はマンションにお住まいでしたが、お子様の成長と共に収納スペースが不足し、それぞれにお部屋を与えたいというお考えがあったこと。そして、ご主人のリモートワーク用の部屋が必要になったことや、料理関連の事業を営まれている奥様の業務資材の収納スペースや空間が必要になったことが家づくりを考え始めたきっかけになったそうです。
マンションも検討されたようですが、現状の暮らしの問題点を改善するために必要なサイズ感自体が希少で、かつ、希望を取り入れていくことの柔軟性や価格のバランスを考慮し、戸建(注文住宅)に目を向け始められたそうです。
大切にしたこと
ご家族がそれぞれの居場所を持ちながらも、一緒に過ごせる空間での心地よい過ごし方をイメージしながら打ち合わせを進めていきました。
間取りや必要なスペースはもちろん大切ですが、それよりも暮らしに寄り添った空間のイメージを共有することを何より大切に考えました。
ダウンライトは最小限に、ブラケットやペンダントライトを多用し、明暗の強弱をつけることで空間に奥行を感じられるように計画しています。素敵な照明器具はほとんど奥様に選んで頂いたもの。
3階建てが建ち並ぶ都心の立地において、開放感のある最上階に配置したリビングは開口部の計画を綿密に検討しました。
空だけが抜ける南のハイサイドライトと、北側のテラスにつながる大きな木製の連装窓。自然光の強弱は素材のテクスチャーを魅力的に引き立たせ、感情を豊かに揺り動かす心地よさを生み出してくれています。
ご新居を訪ねて
大きな木製窓の先に設けたテラスはハーブを育てたり、気持ちの良い日はゆっくりとくつろいだり。身近に自然を感じられることで今を心地よく過ごせる居場所には、平穏で優しい空気に包まれた暮らしが生まれていました。
五感が豊かに刺激される空間で、今しかない家族の時間が豊かに育まれていく住まい。
好奇心を刺激するロフトへあがるタラップ。
キッチンから見守られたスタディスペース。
食を通して豊かな心を育むキッチン・・・
家づくりというプロセスの先にある”暮らし”が自然と響き合い、美しい住まいが生まれたことをうれしく思います。
家づくりのあとのこれからも、どうぞよろしくお願いします。